2016/06/25 短日処理してみた

短日処理は一般的に、短日性植物に着蕾を促進させる効果があると言われてますが、
大輪朝顔栽培では通常、短日処理は必要ありません。私も今までやった事が無いです。
ただ、ある方のお勧めもあって、経験しておくのも悪くないと思い、
今回ちょっとした実験としてやってみようと思いました。
 
 画像左 :大き目の段ボールの中に、黄葉6月播種の小鉢を
  これくらいの余裕を持たせて置きます。
 画像中央:夕方16時に遮光開始。
  段ボールの上下のふたの部分全て、幅広の黒ビニールテープて止めて、
  わずかな光も入らないように完全遮光状態にします。
 画像右 :翌日の朝8時に、テープを剥がして鉢を取り出し、遮光終了。
  これで、16時間分の短日処理をした事になります。
  苗の状態は問題なさそうで、密閉による芽先のダメージも無さそうです。



5/18播種の苗ですが、子づるも生長が速すぎて、早くも脇芽(孫芽)が見えてしまってます。
最近接で撮影した写真ですが、画像のほぼ中央にごく小さな孫芽が付いてます。
画像では見づらいですが、孫芽を確認できるでしょうか?(画像をクリックして拡大して見て下さい)
切り込み作りの孫づる仕立てを目指す場合、この孫芽を確認するための観察眼が必要です。

2016/06/26



5/18播種の青葉の本鉢定植1週間後。施肥が少ないので全体的に力強さに欠けます。
このあたりから徐々に液肥を濃くしていきます。



5/18播種の青葉の小鉢。小鉢上げから35日目で、鉢底から根が出まくってます。
地上部は、つるが伸びだしてます。そしてトンボ。
この鉢は展示会には出品しないので、この後普通の駄温6号鉢に定植しました。



5/25播種の黄葉の小鉢。生長速すぎです。この後中鉢に移植しました。
そして右の青葉小鉢にトンボ。

今日の夕方には、ようやく殺虫殺菌剤を散布しました。
主にハダニを予防します。


2016/07/03 摘芯開始

先週の画像の、孫芽が付いている場所ですが、
正解はココです!
(画像をクリックした後、画像を原寸大にして、ご確認下さい。)

孫づる仕立てでは子づるの脇芽が、葉芽なら成功、花芽(蕾)やスマタ(どちらも付かない)なら失敗です。
肉眼で辛うじて確認できる脇芽が付いた時に、それが葉芽なのか花芽なのかを見分ける方法ですが、
毛状なら葉芽、尖った形状なら花芽です。(私にはこんな言葉しか出てきません。。。)
どちらか判断つかない場合は、もう少し生長してから確認します。
また、花芽なら失敗と言った理由は、この時期に蕾が付いてしまっても、
展示会が始まる前に間違いなく花が咲き終わってしまうからです。
うまく葉芽が付いているなら、ここからリン酸分の多い液肥に切り替えて、
孫芽が生長して孫づるになった時に、脇に蕾が付くのを促します。
先週に観察眼が必要と言った理由は、この液肥切り替えのタイミングを計るためでした。



前置きが長くてすみませんでした。
ようやく今週の本題ですが、今週から、大輪朝顔栽培の重要な作業である、摘芯を開始しました。
摘芯は、そのつる先への養分供給を断つ事で、他の成長点の生長を促す効果があります。
展示会期間中に見栄えのする位置で開花させるための作業、とも言えるでしょうか。


5/18播種の青葉らせん作りの本鉢。
本づるは6/27に摘芯し、毎日つる先から葉を1枚ずつ切り詰めている最中です。
当会では本づる仕立てが主流ですが、私は子づる仕立てにする事が多いです。
液肥はハイポネックス青(6-10-5)の1000倍希釈を毎日与えてます。


5/18播種の黄葉切り込み作りの中鉢。
孫づる仕立て1択です。本葉12枚はあるでしょうか、脇芽も沢山あり、
もう本葉の枚数を数えるのが面倒になるくらい生い茂ってます。
だいたい孫芽を確認出来ていい感じにはなってますが、孫芽の生長を抑えたくて、まだ本づる摘芯してません。
でもそろそろ本づる摘芯の頃合いかなと思ってます。


5/25播種の黄葉切り込み作りの中鉢。
7/1の時点で、子づるが5mm以下の短い苗は子づる仕立て、
子づるが5mm以上で孫芽も見えている苗は孫づる仕立てにします(画像では青い札を差してます)。
孫づる仕立てにする苗は、7/1から本づるの先を摘芯し、毎日徐々に切り詰め、
7/3までに本葉6枚までにして、本葉3、4、5枚の脇芽(子づる)を残し、本葉6枚目の脇芽は除去しました。

6月播種の黄葉切り込み作りの小鉢は、全部子づる仕立てになると予想してましたが、
元肥にマグアンプKを入れた苗がやたら葉が肥大して生長が速く、
孫づる仕立てにする鉢が2つありました。


2016/07/10 初花

 
今年の一番花です。涼風三夏という品種です。
納戸色、花径16cm。
花切れや、肥料当たり(花の曜の先端部が紫色になっている)が見られますが、
つる作りの場合はむしろ、初花が肥料当たりしている位が良く、後々の花がさらに大きく咲きやすくなります。
なお、この鉢は展示会には出しません。

展示会に出す鉢はこちら↓

画像左:本命だった子づるをうっかり折って(切り落として)しまい、残りの短い子づるを本命にしてます(ダメ元です)。
    らせん針金を取り付ける時や、つるを針金に巻く時は、無理せずゆっくりと慎重に作業を進める必要がありますね。
画像右:つるの長さはほぼ理想(現時点でらせん半周に満たない)。蕾はそこそこ付いています。
    つるはあまり太くなく、節間隔もやや長めですが、これで問題ないと思ってます。
施肥は、最近は液肥700〜500倍希釈にさらに開花促進用液肥(ハイポネックス赤0-6-4)も加えています。


こちらは5/18播種の黄葉切り込み作り用。孫づる仕立てを目指しているこれらの鉢は、
7/1位から本づるを徐々に切り詰め、7/7位から子づるも摘芯してます。だいぶサッパリしました。
右の画像の中央付近に、長さ3mm位の孫芽があり、これを伸ばして脇に花芽(蕾)が付くようにしていきます。
施肥は、上述のつる作りの液肥をそのままか、水を2割ほど加えて薄めた液肥を与えています。


2016/07/17 タイマーとか定植とか

 
藤霞娘という古い品種(紫無地)の初花。紫色、花径16cm。
画像は紫に見えませんが、紫色というのはデジカメにとって最も苦手な色らしいです。ご容赦下さい。
子づる仕立てにしてますが、摘芯済みの本づるにわざと残しておいた蕾から咲きました。


こちらも藤霞娘ですが、花径が13cm、紫吹掛け。
紫無地の品種が紫吹掛けに変化したので、こういう場合は
品種名に「変」(かわり)を足して、「藤霞娘(変)」と呼びます。
大輪が見込めなさそうなのと、吹掛け模様が少なすぎる、2つの欠点があります。
捨てるか、交配の片親として残しておくか、悩ましい所です。

 
らせん仕立ての鉢は3鉢。全部子づる仕立てで、つる長はらせん0.7〜1.3周(7/17現在)。
元は2鉢の予定でしたが、ある方の助言により、駄温鉢の涼風三夏を強引にらせん仕立てに切り替え(移植)しました。


今年は手作り自動水やり機(2013年版)を設置をしません。色々壊れてしまったもので。。。
プラスチックの蛇腹ホースの部分が劣化して折れたり、
水に浸かりっぱなしだったポンプ(たぶん小型モーターで出来ている)が動かなくなったり。
実は、手作り機は寿命が短いだろうと予想してました。

すでに持っている製品版の自動水やりタイマー(タンク貯水型)は、ノズル20本しか無いので、鉢数が限られます。
しかもタンク型はもう売られてないようで、最近では蛇口取り付け型しか売ってないようです。

そのため私は、やむを得ず蛇口型にを買うことにしました。

蛇口に3分岐コネクターを取り付けて1つにタイマー取り付け、タイマーから各鉢2本づつのノズルに給水。
ノズルは8方向放射状に水が出るタイプを使用。ただノズルが長くて土に刺すのがイヤなので、
洗濯ばさみ(割れにくいポリカーボネート製)で鉢縁に固定します。
まだ梅雨が明けてなくて、出番が無い状態です。


黄葉切り込み作り用鉢の本鉢定植を始めました。
左側の画像は、5/18播種の6/19に中鉢移植した鉢。
根が鉢底で密集して回り過ぎて(サークリング現象)、根詰まり寸前の危険な状態です。
という事で予定より早く、5.5号または6号の香炉鉢に本鉢定植していきました。



2016/07/24 咲き始めた


関東地方はまだ梅雨明けしておらず、気温もあまり上がらないせいか、咲き始めた花もまだ小さいです。

   
らせん仕立ての蔓の長さは、らせん2.0〜2.5周(7/24現在)。展示会までにギリギリ頂上に達すると思います。
画像中央の鉢の花は、涼風三夏ですが、納戸色でなく藤色で咲きました。18cm。
なのでこの鉢は、品種名「涼風三夏(変)」、色彩「藤無地」となります。


黄葉切り込み作りは、早くも花が咲き始めてます。14cm台。
この調子だと花が咲きすぎてしまい、展示会に咲く蕾が残らない鉢が続出するので、正直困ってます。
展示会の期間に狙い通りに開花させる事が、切り込み作りの最も難しい点の1つです。

切り込み作りは、先週から肥料止め(液肥は使わずに水のみをやや多めに与える事)をしています。

鉢の状態ですが、画像一番右のようにかなり生い茂らせています。
これは、大きくて早く咲いてしまいそうな蕾の生長を少しでも遅くしようとするのと、
花が肥料あたりしないように肥効をなるべく分散させるためです。
一方、蕾がほとんど付かずに先週位に短い蔓にようやく小さな蕾が付いた鉢は、
先週のうちに短い蔓の先を摘芯して、蕾の生長を速めて展示会に間に合わせたいという狙いです。



2016/07/31 展示会スタート


やっと展示会本番が始まりました。
私の出品作は、予想外の良い結果でスタートしました。


藤無地 23.0cm で「天位」を頂きました。
この鉢は前回ご紹介した「涼風三夏(変)」色彩「藤無地」ですが、
涼風三夏を作出したIさんによると、涼風三夏は納戸の他に藤や桃に変化する事もあるので、
それぞれ別の品種名を名付けたとの事です。
 納戸色は「涼風三夏」(りょうふうさんか)
 藤色は「薫風三夏」(くんぷうさんか)
 桃色は「春風三夏」(しゅんぷうさんか)
したがってこの鉢は「薫風三夏」と呼ばれる事になりました。


仙の秋 茶覆輪 16.5cm で「地位」を頂きました。
手前みそになりますが、花の茶色の濃さ、覆輪の太さ、円満咲き、葉の小ささ、
トータルで大変良い感じに咲いてくれた鉢でした。
3年前に天位を獲得した「ねずみ花火」さんの仙の秋の系統から種を分けて頂いたので、
遺伝子的に、良質の花が咲く要素を受け継いだ花なのかもしれません。
仙の秋は、蕾が付きやすい性質を持つので、子づる仕立てに向く品種です。
私も当初はそのつもりでしたが、生長が速かったせいで子づる仕立ては途中で諦め、
奇跡的に!孫芽が1個付いたので、何とか孫づる仕立てに出来ました。


X18-1 黒唐桑刷毛目
YTさんから今年頂いた種から育ててみました。
3鉢育てて、別の色(紫)で咲いたり、刷毛目が出なかったったりでしたが、
この鉢でようやく黒唐桑色(チョコレート色っぽい?)&刷毛目模様が出て咲いてくれました。
花径は小さかったものの、大輪系では異彩を放つ独特な色の花で、私は好きです。
この先、さらなる選別作業が必要になってくる品種です。


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